皆さんは、他人がご飯を食べている姿を見て、「美味そうだな」と思う以上の感情……例えば「見てはいけないものを見てしまった」という背徳感を抱いたことはありますか?
今回紹介する「めしぬま。」は、まさにそれです。
表紙の冴えないサラリーマン、飯沼(いいぬま)。彼が食事をした瞬間、世界は一変します。飛び散る汗、曇る眼鏡、紅潮する頬。
ただ飯を食っているだけなのに、なぜか事後のような賢者タイム感が漂う。そんな人間の三大欲求のバグり方を描いた怪作を、深夜のテンションでお届けします。
「めしぬま。」1巻はどんな話?
主人公・飯沼は、どこにでもいる冴えない独身サラリーマン。仕事ができるわけでもなく、上司には怒られ、目立たない存在です。
しかし彼には唯一にして最大の楽しみがありました。それは「ご飯を食べること」。
カツ丼、ピザまん、カツカレー、カレーうどん……。
彼がこれらハイカロリーな食事と対峙するとき、普段の死んだ魚のような目は消え失せ、雄(オス)の本能がむき出しになります。
周囲が「えっ、何だこの人…」とドン引きするほどの熱量で飯を貪る。
そのギャップと、異常なまでの「シズル感」あふれる食事シーンを楽しむ、一話完結型のグルメラブコメ(ラブの対象は飯)です。
【感想】心が震える!見どころ3選
完全に“イっちゃってる”恍惚の表情
この作品の狂気は、飯沼の表情管理能力の欠如にあります。
例えば第2話、冬のコンビニで買ったピザまんを割り、食べるシーン。とろ~んとチーズが糸を引き、「はふっ」「んっ」とピザまんを楽しむ飯沼の表情、見てください。
恍惚として紅潮した顔、荒い息遣い。正直、何かのプレイ中かと思いました。
おそらく彼にとって食事とは単なる栄養摂取ではなく、魂の解放なのです。
読んでいるこちらのドーパミンまでドバドバ出てくる、危険な中毒性があります。
周囲の「ドン引き」リアクションこそが我々の代弁
飯沼がトリップすればするほど、周囲の冷ややかな視線が刺さります。
第4話、残業中のオフィスにて。気になっていた女性社員・笹原さんにドーナツを差し入れられた飯沼。ドーナツを貪り食う彼の顔を見て、笹原さんはこう思います。
「何だ今の顔 エッロ…!!」
「かっかわいいじゃないか…!!(飯沼のくせに…!)」
ここの温度差が最高なんです。
読者も笹原さんと同じ視点で「キモっ! でも美味そう…いややっぱりエロいな?」という感情のジェットコースターに乗せられます。
イケメンの花山先輩が「うまーっ」と爽やかにカツカレーを食べる横で、必死の形相で「特盛り」をかきこむ飯沼の対比も、社会の縮図を見るようで趣深い(?)です。
深夜に見るには「毒」すぎる飯作画
あみだむく先生の描く料理は、モノクロ漫画なのに匂いが漂ってきそうな魅力があります(主に飯沼の飯テロ力のせいかもしれませんが)。
衣が立ったトンカツ、箸が通りトロリと垂れる卵黄、熱気が揺らぐ小籠包。
特に「たこ焼き」の回で見せた、外側のカリッとした質感と内側のトロッとした熱さが伝わる様子は、思わず銀だこに向かってしまいそうになります。
飯沼のリアクションが大げさに見えますが、「わかる、その顔になるわ」と納得させられてしまう、胃袋への直接攻撃力があります。
結末と考察:この後の展開はどうなる?
1巻を通じて、飯沼はただひたすら美味いものを食べ続けました。しかし、後半にかけて少しずつ人間関係に変化が見られます。
最初は飯沼を「冴えない同期」と見ていた笹原さんが、彼の「無垢な食欲」になんだかんだで「餌付けみたいで楽しい(笑)」と快感を覚え始めていたり、年上の男性(実はその正体は…)に料理屋案内を頼まれ、中華料理を奢ってもらったり。
飯沼自身は「飯さえ食えればどうでもいい」というスタンスを貫いているように見えますが、この無自覚な「食いっぷりフェロモン」が周囲を巻き込んでいく展開になりそうです。
特別編:ブレない飯テロ紳士の原点
あと気になるのが、特別編で描かれた中学生時代の飯沼。
いや、飯沼先生。
給食のシチューに対する、あの真剣な眼差し。
そして、給食着姿での完食。
昔からブレない飯テロ紳士だったことが証明されましたね。
今後の展望:孤独か、共有か
今後、飯沼の食欲がさらにエスカレートするのか。
それとも、誰かと食事を共有する喜びを知っていくのか。
個人的には、一生独りで悶えながら定食屋で食べていてほしい気もしますが。
まとめ:「めしぬま。」はこんな人におすすめ
- ダイエット中で、他人が高カロリー飯を食う姿を見て発散したい人
- イケメンよりも、欲望に忠実なダメ人間に萌えを感じる業の深い人
- 深夜に胃袋を刺激され、そのままコンビニへ走る覚悟がある人
この漫画を読むときは、必ず手元に何か食べるものを用意してください。
さもないと、空腹という名の拷問を受けることになります。

コメント